週末の散歩のはずが、この数か月 平日も出歩くことが続いている。音楽を聴きながら特に今は周りの色づいた樹々と落ち葉の世界に吸い込まれるような感覚が心地良くて、今日は疲れたなと思っても足が勝手に出向いていく感じだ。そしてなぜだか一瞬見えた一コマを写真に撮るようになっている。
以前、その日は青空の広がるいい天気だったので割と目立つ切り株と空を撮ろうと向かったら、先着、おじさんがその近くで新聞を広げて缶ビールを飲んで寛いでおられた。まるで株はちゃぶ台(物は置いていない)で芝生は和室の畳、その切れ目のない空間がおじさんの一室のようだった。うーん撮るのをよそうか・・と思いながらも撮る気持ちが勝ってしまいその中へお邪魔していた。なんとなく嫌な空気が流れたら撤退しようと思っていたが、何のその その隔たりのない一室でやはり新聞を読んでおられて、その横で私が前の人が通り過ぎるのを待ったりしながらシャッターを押したりを2回ほど。3回目ついにぼそっと「人入っちゃった、、」とひとり言が出てしまった。片耳イヤホンだったからぼそっとではなかったのかもしれない。そろそろ撤退しなきゃと最後に、と構える。すると横から「押せ」とその人の声が聞こえた。指が反応した。「撮れた?」「はい、撮れました」「ところで何撮ってるの?」「今日はお天気なので空がきれいだなと思って・・」ほんとは株もだけれどその時は言えなかった。「・・・」とその人は空を見上げていた。見てたんだ。一瞬の風景を撮る一コマのできごとだった。
ほかにも。夕日が樹々の遠く向こうで落ちていくのが見えた。きれいだなと突然横向きに構えたところ、前からおばさんが「何を撮っておられるんですか?」と聞かれたので「あそこの夕日がきれいで」と横の樹々の向こうを指さした。「あら、ほんとう」と暫く一緒に見ていた。重量のありそうなオレンジ色が落ちていく。「ありがとうございます」と数歩行かれてそのおばさんが振り返り「ここからもっと見えますよ」と教えて下さった。「あ、ほんとですね、ありがとうございます。」と別れて小さな幸せを感じた一コマ。
まだある。犬の散歩の方が多いのでいつも飼えていいなぁと思いながら、何となく見て通りすぎる。ある時そのお犬さんと目がばっちり合って、ハイあなたは犬も好きですねといわんばかりまっしぐらに飛び込んできた。写真のことは忘れて撫でざる負えない状況でそうなると私もだまっておれず「あれぇ人好きなの。可愛いですね~あらあら、まだ子犬さんですか?」とか色々お犬さんと飼い主さんに発している。「いえ、もうだいぶおじさんなんですよ。人が大好きで・・すみませんねぇ。飼っておられるんですか?」「いえ、昔は犬も猫も飼っていたんですけれど、今飼えないところで・・」などと楽しい一コマ。
最近では、枯れ葉の上を歩いていたら足先でなにやらジャンプした?葉っぱじゃないよね、あれ又?何度も飛び上がっているのを確認するとなんとヒキガエルが。 ?!! こちらも心臓がとびあがる。あちらの小さな心臓も・・生死を感じて必死だったろう。あれ、よく見かけたのは注意書きも出た2月か3月ではなかったっけ・・と思いつつ冬支度に横断していたのかもしれないし。その後は葉っぱの上を歩くのも少しよく見るようになったりする。ふと、道中にザリガニかヒキガエルがいた場合どちらがびっくりするか、また最悪な場合どちらが・・と究極を考えたりもした。
ここのところ日没時間が早くなり間に合わないが、色んな一コマがこれからも見られるだろうと思う。
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