頭から離れない

世界(おもいで編)

週末の散歩が日課になっている。今日の最高気温は32度、昨日より増して青空が広がり、陽ざしが樹々にふりそそぎ、たくさんの葉がきらきら光って、陰はいつもより黒く落としていた。

自分はいつも影コース(土を踏む道)を行く。意識を曖昧に保ち、ひとを遠くにして、音楽を聴いて緑の世界に入れてもらう。所どころで足が止まったり、深呼吸してみたり、上を見ていて根っこでつまづいてみたり…だいたいは同じところを行くのに歩くたびに違う景色が広がっていて新鮮な気持ちになる。

時々遠い記憶が甦る。Caracasの街では鳥の声も聞かなかったから日本から鳥の声の入った目覚まし時計を持って行った。車が信号で止まる場所では、赤ちゃんを抱っこした何人もの女性が暑い中、空の紙コップをもって立っていた。アジア人を見ると人によっては差別の言葉を発する人もいた。Barquisimetoに行ったとき、よかれと思って飴の袋をだしたときには、怖いほどの勢いで何人もの手が伸びてきてあっという間になくなったこと… 多くのひとはいわゆるラテン気質で親しみやすくて日本よりも紳士的で礼儀正しいと感じたことも多かった。光と影だった。

心地いい音楽を聴いて、何かを感じずにはいられないきらめいた樹々を見ながら、時空をこえる感覚に陥りつつやさしい緑につつまれる時間を過ごした。

 

 

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